「心の病に薬はいらない」著:内海聡(うつみさとる)から、鬱や心の病を薬によって治そうとすることの危険性について、短くお伝えします。
重要な部分を引用します。
P.22
「精神医学の諸問題はすべて優生学から始まります。それを知らずして「精神医学とは何か」を理解したことにはなりません。この話は、「精神医学をなぜ全否定できるのか」という質問と同じです。
なぜ全否定できるのか?
それは精神医学の目的を知っているから、という答えになります。そして人々が何を誤解しているかを知っているということになるのです。
ほとんどの人は精神医学や心理学、その他に類するものは、精神をよくしてくれたり癒やしたりしてくれたり道筋を示してくれるものだと思っています。しかしそれは幻想であり、洗脳でしかないことはすでに述べたとおりです。
この精神医学と優生学の姿を理解するのに、非常に簡単かつ有用な言葉があります。
それが「精神医療は牧畜だ」という言葉です。
元々この言葉は、日本医師会の元会長武見太郎氏のものです。彼は歴代会長の中でもかなり政治力強いことで有名でした。
その武見氏がこう述べていることには重要な意味があります。
それを解説すると以下のようになるでしょう。
まず、牧畜ですから牧畜する「モノ」が必要です。その「モノ」こそが患者なのです。
だから精神医療にとって患者とは、ヒツジやブタと同じ「モノ」です。これはわたしが言っているのではありません。牧畜だととらえている武見氏や内情を知る人の代弁です。
人間をニンゲンとヒツジに区別する(優劣をつける)ことこそが、優生学の基本なのです。そして餌が必要ですが、餌とは向精神薬にほかなりません。さらに飼うための牧場が必要ですが、それこそが精神科病院であり患者の家そのものでしょう。他のところへ行って元気にってもらっても困るからです。
また牧畜ですからお金儲けをする必要があります。
そのためにどうすればいいかというと、羊毛を刈って繊維にしたり、牛の乳を精製して売ればいいのです。
これは通院したりデイケアに囲ったりして、精神科医や製薬会社が儲けている構図と同じです。
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この著者である内海聡さんは、Tokyo DDClinic院長 NPO法人 薬害研究センター理事長をしている方です。
筑波大学医学部卒業後、内科医として東京女子医科大学付属東洋医学研究所、東京警察病院、牛久愛和病院などに勤務
インターネット上での診断の見直しや薬の相談に答える「セカンドオピニオン活動」や、発達障害に関する著書の執筆など、精神医療分野での積極的な活動を行う中で、
「病を悪化させる精神医療」という現実に直面して、
牛久東洋医学クリニックを開業するが、向精神薬の薬害に取り組むために、そのクリニックを閉院し、
2013年4月にTokyo DDClinic院長 NPO法人 薬害研究センターを発足させるという、
薬害と戦い続けてきた反骨の医師なのです。
いつくか著書も出しておられます。
「精神科は今日も、やりたい放題」
「大笑い!精神医学」
「児童相談所の怖い話」
など。
わたしが今これを書いている目的は
「心の病は精神医学によって薬で治す」という
当たり前に信じられている考えについて、
それは「本当なのか」という疑問を持っていただき、自分の頭で考えて調べるきっかけにしていただきたいことなのです。
だれでも辛いことがあれば「鬱状態」になることはあります。
しかし安易に向精神薬を飲むのではなく、
他の手段、選択肢を調べるなど、よく考えてほしいのです。
もう一箇所、内海さんの本から引用します。
向精神薬と麻薬はほとんど同じ?
次はよく示す表ですが、向精神薬と麻薬や覚醒剤をいろいろな意味で見比べてみると、いかにこれらが凶悪な存在かが理解できます。
つまり向精神薬によって悪くなったり、一時的によくなった気がしたり、やめることができずに悩んでこの本を開いたのは、ある意味で必然なのです。
【向精神薬】
・抗うつ薬はセロトニンの取り込みを阻害する
・メジャートランキライザー(抗精神病薬)はドーパミンの活動を抑える。セロトニンにも作用する。
・抗パーキンソン病薬はドーパミンを増やしたり刺激する。
・抗不安薬はベンゾジアゼピン結合部に作用し、ノルアドレナリンやドーパミンを抑制する
【麻薬・覚醒剤】
・MDMAはセロトニンの再取り込みを阻害する。細胞内セロトニンを高める
・LSDは脳内セロトニンシステムに働きかける
・覚醒剤はドーパミンを放出し取り込みを阻害する
・コカインはセロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリントランスポーターを阻害する
・ヘロインはモルヒネの親戚でセロトニンやGABAを増やすとされる
内海さんは、セロトニンが減少していることが鬱病の原因であるとか、ドーパミンが増加していることが、統合失調症であるというモノアミン仮説は、間違っていることが証明されているとも書いています。
そうであるなら、いまだに間違った仮説に基づいて、麻薬や覚醒剤と作用がにている薬が安易に処方されるということは、実に問題です。
そして、この問題が根深いのは、一旦薬を飲んでしまうと、なかなか抜けられなくなるということにもあります。
薬理学的特性からいうと、向精神薬も麻薬も覚醒剤も、依存症や禁断症状も大変似ているのです。
薬をやめたいと思っても、安易に抜いたり減らすなら、頭痛、体の痛み、食欲の低下、ソワソワ感やイライラ感、不安の増強、動機、手足のムズムズ感や感覚異常など、禁断症状があらわれ、
ひどくなると、自殺企図、他害行為、記憶喪失、錯乱、退行症状などが出現すると言われます。
このような情報を知った上で、なお納得して精神科を受診するなら、それでいいと思います。
でも、軽いうつ状態であれば、日頃からのメンタルや体調のケアでよくなることもあります。
不調を感じたらすぐに受診して、薬を飲むという常識にとらわれずに、
他の選択肢も探し、
様々な知識を得てから、決断することをお勧めします。