オウム真理教による地下鉄サリン事件から20年以上経って、当時を知らない若者も増えてきました。
オウム真理教は2000年に「アレフ」に改称し、その後2007年に「ひかりの輪」に、その後また分派して3つの団体になっています。
驚きなのは、「アレフ」は教団の代表であった麻原彰晃死刑囚(本名・松本智津夫)への信仰を強め、勧誘を活発化させていることで、
現在の信者は約1450人ですが、毎年100人程度の入信者がいるのだそうです。
その殆どが、事件を直接知らない20代の若い世代です。
当時、事件を引き起こしたオウム真理教の元幹部には、知的エリートが沢山いました。
教団と関わらなかったら一流の研究者になった人もいたと言われます。
知的エリートだからこそ、知識によってはみたされないものを、そこに求めたのでしょう。
さて日本の教育においては、宗教について子どもたちにちゃんと教えようとしません。
むしろ宗教に対する偏見ゆえに、向き合わずに遠ざけてきたので、
宗教的な空白ができてしまい、若者たちは免疫もないままに、
「カルト」や「スピリチャル系」などと出会わされて、
すっかり熱病に侵されてしまう。
ハマってしまう、ということが起こるのでないでしょうか?
つまり皮肉なことに、「宗教は危ない」と思って遠ざけるから、
むしろ子どもたちは、免疫もないまま、
社会人になり、人生の苦しみに向き合う術をもたず、
悪質な「カルト」の餌食になってしまうこともあるんじゃないか。
そう思っているのです。
ですからこれからの時代は、宗教的な知識と実践において、
こどもたちを「情報弱者」の状態のままにおかないで、
自分の人生や生きる意味、生きる喜びについて
伝統的な宗教が何を大切に伝えようとしているのかを知り、
「カルト」に取り込まれないように、自分の頭で考え行動できる教育をしていくことが、大切なんじゃないかと思うのです。