より良く生きる知恵

喜びと楽しみの違い

投稿日:2019年1月5日 更新日:

Myriams-Fotos / Pixabay

「喜び」と「楽しみ」は、どちらもよい感情ですが、どこがちがうのでしょう。

英語なら「Joy」と「Fun」の違いということですね。

一つ言えることは、「楽しみ」は何かをしているときに感じる感情のことでしょう。

ゲームを楽しんでいるとき。デートを楽しんでいるとき。

仲間と一緒にパーティーを楽しんでいるとき。

好きな趣味に打ち込んでいるとき。

「楽しい」という感情を感じるものです。

ですから「楽しみ」は行動を抜きには感じられない感情です。

じっとしていても「楽しい」のは、娯楽映画を見ているときくらいでしょう。

いずれにしても、外からの刺激によって感じる心地よい気持ちが「楽しい」という感情。

 

それに対して「喜び」はどうでしょう?

まず、言葉のもつイメージとして、「楽しみ」よりも内面的な感情のことを「喜び」と表現しているように思います。

愛する人と一緒にいるときに感じる、心の底からにじみ出てくるような温かい感情。

むしろ、大きな刺激によってかき消されてしまうような、静かな深い感情。

そのような感情を「喜び」と表現しているのではないでしょうか。

そして大切なポイントは、「楽しみ」は自分の外側から、なにか刺激がなければ感じにくい感情なのに対して、

「喜び」は、自分の外側の刺激によってではなく、むしろ自分の内側から湧き上がってくる感情であることです。

たとえ、周りの環境が「楽しめない」状態であっても、「喜び」は湧いてくることがあるのです。

また、外側の刺激によって引き起こされる「楽しみ」という感情は、刺激になれてしまって、さらに強い刺激がなければ「楽しく」なくなってしまいます。

最初は楽しかったゲームも、なんども繰り返しているうちに飽きてきて「楽しく」なくなっていくものです。

しかし、「喜び」はむしろ、よけいな刺激のないところでこそ、感じることのできる、内側から湧き上がる感情ですから、刺激に慣れてしまったり、飽きるということがありません。

 

見過ごしてしまいそうな、小さなこと。

当たり前だと無感覚になってしまっていること。

たとえば、家族や友や仕事が与えられていること。住むところがあること。

そんな小さくて見過ごしていたり、当たり前に感じていたことごとに、意識的に心を向けて、

決して当たり前ではなく、偶然でもなく、

すでに与えられていた数々の恵みに気づき、感謝することによって、

だれにも奪い取られない、「喜び」を、だれでも味わい生きることができるのです。

-より良く生きる知恵

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

失業したら、人生おしまいか?

rebcenter-moscow / Pixabay  わたしは今50代です。 高校を出て、すぐに公務員として13年働きました。 そして、事情で、次の仕事も決めないままに、30過ぎて公務員をやめ、アル …

超、簡潔なキリスト教解説

前回の「超、簡潔な仏教解説」に引き続いて、 「超、簡潔なキリスト教解説」に挑んでみます。 仏教についても言えることですけれども、キリスト教についても、短い言葉で簡潔に説明するのは、実に難しいことだと痛 …

「幸せになる方法」

 ある時、エリクソンという著名な心理学者のもとを、お金持ちの女性が訪ね 「わたしはお金に困っていませんが、不幸です。寂しくてたまりません」と言いました。  エリクソンはいいました。 「わかりました。あ …

日大と関学アメフト部の人としての誇り

TheDigitalArtist / Pixabay 5月6日に行われた、日本大学と関西学院大学のアメリカンフットボールの定期戦で起きた騒動。   関学大の選手に悪質なタックルを仕掛けて負傷 …

言葉には力があります

Ben_Kerckx / Pixabay 人は言葉を食べて生きています。 昔、ある国の王様が、人間がなぜ言葉を話せるのかを知ろうとして、赤ちゃんになにも語りかけてはならないという実験をしたところ、赤ち …

執筆者紹介

しゅういち

牧師をしています。聖書や沢山の人との出会いを通して教えられ、気づいたことを、分かちあっています。

超わかりやすいキリスト教入門のテキストお分けします 日本人だけ知らない、世界の常識キリスト教。そのエッセンスを

【免責事項】

最善の注意をはらって情報を記載していますが、当サイトの情報は、あくまで利用者の方自身の責任でご利用頂きますよう、ご了承ください。