子育て・教育

子の不登校を通して、親として学んだこと

投稿日:2019年1月9日 更新日:

Hermann / Pixabay

私の息子は中学のとき、一年間不登校を経験しています。

小さい頃から、すこしユニークな子だったので、いつかは学校にいけなくなる日が来るかもしれないとは思ってはいたのです。

いざ学校に行かなくなって、息子が毎日家にいるようになると、親としては複雑な思いになるものです。

「このまま引きこもっていくのだろうか」

「他の学校ならいけるのだろうか」

焦らず、この状況をおおらかに受け止めようと思いながらも、焦ってしまう親心。

「息子が行けなくなってしまうような、今の学校の環境に問題がある」と考え、

担任の先生の対応にも疑問があったこともあり、

「今の学校に戻る必要はない」とは思いながらも、やはり心のどこかで「どこでもいいから、学校にいってくれたら安心なんだけどな」という思いは募ってくるわけです。

息子は勉強は嫌いではないので、家で一人で勉強をしていたようですが、それも限界があるでしょう。

アメリカでは、家で親が教えるホームスクーリングの伝統や、教会が学校代わりに子どもたちの教育をするチャーチスクールなども発達していますが、

日本にはまだまだ学校以外の選択肢は少ないわけです。

子どもの発達のスピードや個性は様々であるのに、なぜ日本の教育システムは、こんなに画一的で多様性や選択肢の幅がないのでしょう。

一人ひとりの子どもたちが、のびのびと成長していくための環境を提供するのではなく、

決められた環境と型のなかに、多様な子どもたちを押し込めていく、日本の教育システムは

まるで、従順で画一的な従業員、社員を作り出すためのシステムのようです。

学校において身につける「社会性」とは、「出る杭」にならずに、周りの空気を読む人になることを意味するのではないでしょうか。

それは企業がそのような、従順な人材を求めているからであり、自分の頭で考え、自分の意見を言うような人を必要としていないように思うのです。

なので、個性的な人。自分というものをしっかり持っている人ほど、学校において居場所を失いやすく、いじめの対象にもなりやすいのではないでしょうか。

息子が学校にいけなくなったのも、周りの空気を読み、自分を殺して周りと同じようにすることのできなかった、息子のユニークさゆえであり、

それはむしろ、人間らしさでもあったと思うのです。

さて、学校にいけなくなってから、平日に家にいる息子を連れ出して、一緒に映画に行ったり、寄席に行ったりしました。

教会で出会った高齢の方々は、息子をバードウォッチングに連れ出してくれたり、一緒にピンポンで遊んでくれました。

そういう、世代を超えた人々と過ごすことこそが、実は本当の意味での「社会性」なんじゃないかと思います。

その後、息子は、やっぱり学校にいきたいということをいい出し、

今は家から電車で片道1時間半もかかる学校に通っています。

始めの頃は、朝5時に起きて通わなければならないその学校に、不登校だった息子が通い続けるのは無理じゃないかと、定期は一ヶ月分しか買ってあげませんでした。

子どものことを信じてあげられない、情けない親です。

でも、息子はその学校を気に入り、友達もでき、いきいきと通い続けています。

このちいさな経験を経て、気が付かされたことは、

親はこどもの中にある命の力を信じてあげなければならない、ということ。

そして、その命の力が生き生きと成長していく環境さえ整えてあげたら、

子どもはいきいきと芽を出して成長していくのだ、ということです。

こどものなかにある、命の力を信じつづけることこそ、

親の責任であり、大切な役目だと気が付かされたのです。

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