より良く生きる知恵

お金が大好きな人へ

投稿日:2018年5月22日 更新日:

WorldSpectrum / Pixabay

日本人は無宗教の人が多いと言われます。

しかし、実は「拝金教」の信者さんが、沢山いるようなのです。

この「拝金教」には、教祖も教義もありません。

ただ、「お金」を神さまのように崇めて、心が支配されているなら、立派な信者さんです。

その人は、人生のために「お金」を使うのではなくて、「お金」のために人生の時間を使ってしまいます。

「お金」のために、仕事をしている人のことです。

「え、お金のために仕事をするのは、当たり前じゃないか」と思うなら、あなたも立派な「拝金教」の信者さんです。

本来「貨幣」とは、物やサービスを交換するための、「引換券」に過ぎないからです。

 

「引換券」自体は、食べることも、病気を治すことも、ましてや「命」を救うことなどできないでしょう。ただの「紙」です。

 

ただ、みんながこの「引換券」によって、

お互いに物やサービスを交換し合いましょう、という「ルール」を守ることにしているので、

 

この「引換券」に力があるように「錯覚」しているわけです。

 

それは、100万円の「引換券」なら、100万円の価値の「物」や「サービス」と交換できるという、「ルール」を守ることが、その前提です。

 

でもこの「ルール」はいつまでも守られるとは限りません。

 

インフレになれば、100万円の「引換券」で、パン一つしか、交換してくれなくなるかもしれないのです。

そうなってあらためて、お金とは実はただの「引換券」に過ぎない、ということに気づくでしょう。

お金とは、価値の交換のための、「引換券」という道具にすぎないのです。

 

にもかかわらず、その「引換券」を神のように崇めてしまうという、「拝金教」の信者になっていませんか。

 

「引換券」という「道具」は確かに便利であり、必要でしょう。

 

しかし本当の価値は「引換券」にあるのではなく、あなた自身のなかにこそあるのです。

 

あなた自身のなかにある「価値」を、人々が必要とし、あなたも、誰かがもっている「価値」を必要とするとき、そこに「価値と価値の交換」が起こるからです。

 

「引換券」そのものには「価値」はないのです。みんながその「引換券」で交換することにしている「ルール」によって、「価値」があるように錯覚させられているだけです。

大切なのは、あなたのなかにしかない「価値」を発掘し、人々のために用いることです。

「引換券」を集めて、自分には「価値」があると思い込むのではなくて、

すでにあなたの中にある「価値」を輝かせて、人々から求められる人になることです。

 

さて、「拝金教」の信者になると、どういう弊害がおこるのかというと、

たとえば、もしあなたが病気になったとしたら、「お金」もうけのために働いている医者のところに行きますか。

「拝金教」の医者は、患者のためではなく「お金」のためという動機で生きています。

ですから、必要以上の検査をしたり、高い薬を飲ませようとするかもしれません。

その他にも、様々な職種において、本来するべき「価値」の提供ではなく、

「お金」「引換券」を手に入れる動機でなされることによって、

正しいことがねじまげられ、ギスギスした社会になってしまっています。

「拝金教」の弊害に気づいていますか。

-より良く生きる知恵

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

「father カンボジアへ幸せを届けた ゴッチャん神父の物語」をみて。出会いと別れの傷から実っていくもの

吉祥寺のココマルシアターで、「father カンボジアへ幸せを届けた ゴッチャん神父の物語」を観ました。 2015年、8月。カトリック神父・後藤文雄、愛称・ゴッちゃん(撮影当時86歳)のドキュメント。 …

超、簡潔なキリスト教解説

前回の「超、簡潔な仏教解説」に引き続いて、 「超、簡潔なキリスト教解説」に挑んでみます。 仏教についても言えることですけれども、キリスト教についても、短い言葉で簡潔に説明するのは、実に難しいことだと痛 …

株とか仮想通貨の暴落で、お金を失ってもう生きられないと思っている人に

Mediamodifier / Pixabay お金を儲けようと、仮想通貨や株に投資していたお金を 暴落によってすべて失ってしまったとします。 そのとき、人はお金を失ってしまった喪失感と、これからの生 …

死さえ乗り越えさせるユーモアーの力

ast25rulos / Pixabay 「死生学」の専門家が語るユーモアーの勧め ドイツ人で、かつて上智大学で「死生学」をお教えておられた、アルフォンス・デーケン先生の「よく生き よく笑い よき死と …

世の「夫」必見 映画「今度は愛妻家」

最近、アマゾンプライムで観た映画。 「今度は愛妻家」2009年の作品です。 もとは演劇の作品だったものを、映画化したそうですね。 ほとんどの場面が家の中の出来事なので、劇場向きだと思いました。 それだ …

執筆者紹介

しゅういち

牧師をしています。聖書や沢山の人との出会いを通して教えられ、気づいたことを、分かちあっています。

超わかりやすいキリスト教入門のテキストお分けします 日本人だけ知らない、世界の常識キリスト教。そのエッセンスを

【免責事項】

最善の注意をはらって情報を記載していますが、当サイトの情報は、あくまで利用者の方自身の責任でご利用頂きますよう、ご了承ください。