アメリカのメイヨ―・クリニックという病院で447人を30年間にわたって追跡した調査があります。
その調査によると、楽観的に物事を考える人よりも、悲観的に考える人の方が、早く亡くなるという統計データーがあるそうです。
また、エール大学の研究では、年齢を重ねることを「感謝だ」と前向きにとらえる人は、「もう、こんな年だ」と後ろ向きにとらえる人より、平均7.5年長生きしているという研究もあるそうです。
やはり、「怒り」や「過剰なストレス」は、免疫機能を低下させ、体内で炎症を起こし、様々な病気へのリスクを高めていく「毒物」になるのでしょう。
そんな「毒物」を「解毒」してくれるのが、「感謝」
「感謝」はストレスや怒り、敵対感情から、心も体を守ってくれる、ある意味素晴らしい「薬」です。
ノートルダム教育修道女会のシスターたちの「ナン・スタディ」という
有名な調査があるそうです。
この修道女会では、修道院に入るときに自分の生い立ちを書かされるのです。
心理学者がその内容と、60年後の生存率の関係を調べたのだそうです。
すると、人生を授かり物だと「感謝」し、希望や愛や満足などの気持ちが文面からうかがえた人と、
後ろ向きな文面の人は、6年〜10年くらいの、寿命の開きがあったということです。
このような研究の結果を、どのように受け止め、評価するかはともかく、
「怒り」ではなく、「感謝」することで、なにも損などしないのですから、
長生きの「薬」と思って、日々、何度でも「感謝」したいものです。
しかし、ある人はこういうでしょう。
「なんでもかんでも「感謝」するなんて、お気楽な楽観主義の、何も考えないノーテンキ」じゃないかと。
でも、そんなことはないのですよ。
困難なとき、失意のときに、それでも「感謝」するということは、
「感謝」を選びとる「強い意志」と「未来への希望」がなければできないことです。
逆に、目の前の状況にすぐに感情的に反応する、未成熟な人には難しいことです。
厳しい状況を前にすると、すぐに「もうだめだ」「無理」「愚痴や恨みや嘆き」の言葉が出てくる人は、
同じ状況のなかで、なお「大丈夫だ」「感謝します」と前を向いている人に、
「現実はそんなにあまくないよ」「人生は厳しいのだ」と、自分の方があたかも人生の厳しさを知っているかのように、上から目線で言いたくなるかもしれません。
でも、そういう方には、どうかわかってほしいし、自分にちゃんと向き合ってほしいのですが、
すぐに悲観的な言葉が出る人は、結局は、自分の「感情」のままに流されている人なのだ、ということです。
「人生が厳しい」なんてことは、だれもが百も承知なんです。
にもかかわらず、それでも、なお
「なんとかなる」「大丈夫」
「きっとよくなる」「うまくいく」「感謝です」と宣言する人は、感情に流されない大人なのです。
そういう人は、自分の意志のちからによって、常に楽観的に、明るく、「感謝の言葉」を語り続けようとしているのです。
それは、それで、素敵な生き方だと思いますし、
なによりも、そういう生き方のほうが、
体にも、心にもいいわけですね。