最近、アマゾンプライムで観た映画。
「今度は愛妻家」2009年の作品です。
もとは演劇の作品だったものを、映画化したそうですね。
ほとんどの場面が家の中の出来事なので、劇場向きだと思いました。
それだけに役者さんの演技力が問われるところですが、実に素晴らしかったです。
わたしも、それなりに人生経験を踏んだおじさんになりましたが、演技力に最後泣かされました。
そういう意味で、夫婦喧嘩したときなど、仲直りのための薬として、
この映画はよく効く薬だと思います。
ただ、この映画においてはストーリー展開が重要なので、ここでのネタバレはしません。
回りくどい言い方をすれば、身近なこと、日常的ななかにこそ、実は本質的、普遍的なメッセージがあるということを、あらためて確認するストーリです。
夫婦の愛のすれ違い。男性と女性の愛の表現のすれ違いの悲しさと痛みとか
それゆえに、明日ではなく今日、相手のことを思いやる気持ちと、その一言の大切さとか、
一度きりの後悔のない人生のために、そんな小さなことが、実に大切であることとか、
つい、忘れがちなことを、深く気づかせられる作品です。
奥さん役の、薬師丸ひろ子の愛らしく可愛らしい振る舞いが、
シリアスで重くなりがちなこの作品のテーマを、
明るくユーモラスにして伝えてくれます。
わたしは男性なので、夫目線で観てしまいます。
豊川悦司が演じる夫役は、ちょっと屈折したカメラマンという設定で、すこし特殊な人物像なのですが、
やんちゃな男の子が、そのまま大人になったという感じで、
自分の本心を見つめるとか、そういうタイプではないのです。
こりゃ、奥さんは苦労するなーという男を絵に描いたような夫。
そんな彼が、妻を愛していた自分の本心に気づかされ、苦しみ、そして最後にもう一度立ち上がっていく。
夫の立場から観ると、そういうストーリーとして受け取ることもできるかもしれません。
ということで、これは、世の「夫」に、ぜひ観ていただきたい映画なのです。
後悔することのないためにも。