より良く生きる知恵

過去の憎しみから自由になったプロボクサー

投稿日:2018年1月16日 更新日:

東京新聞に、こんな記事が載っていました。

プロボクシングの勅使河原(てしがわら)弘晶さんは、中学時代から窃盗や傷害事件を繰り返していたのだそうです。

少年院にも2度も入ったことがあります。

そんな自分になったのは、自分が悪いのではないと、ずっと思っていたのだそうです。

小さい時に両親が離婚。そして義理の母親から虐待を受けるようになりました。

その苦しみ、ストレスから非行に走ったのです。

「アイツのせいで、俺はこうなったのだ」

 

そんな彼の生き方を変えたのは、彼が少年院に入っていた時の教官の一言でした。

「お前の人生はお前の嫌いな義理の母に決められたってことだな」

悔しいけれども、何も言い返せなかったそうです。

その一言をきっかけに、彼の生き方は変わっていきます。

 

少年院から出た彼は元世界王者の輪島功一さんのジムを訪ねます。

そして猛練習のすえに、昨年の10月に世界ボクシング機構アジア・バシフィック・バンタム級王座に就いたのです。

彼は少年院を慰問し、少年たちにこう語りかけるそうです。

 

「起きたことに後から理由を付けるのは、自分自身。マイナスにもプラスにも捉えられる。過去は変えられる」と。

 

もちろん過去を変えることなどできるわけがありません。

彼が言っている「過去は変えられる」という意味は、

過去は変えられないが、

過去の出来事の「解釈」は、

「マイナス」にも「プラス」にも、自分がとらえなおせる、という意味です。

彼は過去を「プラス」捉えなおすことを、自分で選び取ったのです。

-より良く生きる知恵

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

今の状態を肯定するなら、しみじみとした喜びが心に湧いてくるでしょう

MAKY_OREL / Pixabay 今を肯定しよう 「いまの状態はだめで、なにかを変えてもっと良くしなければならない」と「今を否定する」ことから考えをはじめていませんか。   「今はだめ …

会話が苦手でも大丈夫!初対面の人と気楽に話す為のコツ

OpenClipart-Vectors / Pixabay 自分は初対面の人とは天気の話をしたらもう話題がない、会話の苦手な人間だと思っていませんか。 沈黙が怖くて、なかなか自分から話しかけられなかっ …

依存する先を増やすほどもっと自由になれる

geralt / Pixabay東京大学東洋文化研究所教授の安冨渉(やすとみ・あゆみ)著「生きる技法」に、こんな言葉があります。 「往々にして人は「自立しなきゃ」と思うと、「もっと人に依存しないように …

相手を変える唯一の方法

上司は部下を成長させたかったり、 先生は生徒を変えたかったり 夫は妻を、妻は夫を変えたかったり、 親は子どもを変えたかったりするものですね。 特に、組織で立場が上で、下の人を指導しなければならない立場 …

「幸せになる方法」

 ある時、エリクソンという著名な心理学者のもとを、お金持ちの女性が訪ね 「わたしはお金に困っていませんが、不幸です。寂しくてたまりません」と言いました。  エリクソンはいいました。 「わかりました。あ …

執筆者紹介

しゅういち

牧師をしています。聖書や沢山の人との出会いを通して教えられ、気づいたことを、分かちあっています。

超わかりやすいキリスト教入門のテキストお分けします 日本人だけ知らない、世界の常識キリスト教。そのエッセンスを

【免責事項】

最善の注意をはらって情報を記載していますが、当サイトの情報は、あくまで利用者の方自身の責任でご利用頂きますよう、ご了承ください。