より良く生きる知恵

人はなんのために生きるのか、という稲盛和夫さんの講演を聴いて

投稿日:2018年1月27日 更新日:

Alexas_Fotos / Pixabay

稲盛和夫さんの講演を聴いて

10年くらい前、稲盛和夫氏(京セラ(株)名誉会長)の講演会を聴きに行ったことがあります。

テーマは「人はなんのために生きるのか」という興味深いものでした。会場は満席。経営者が多かったようです。

稲盛氏の結論は、 「人生の目的は魂を磨くこと」 ということでした。

死ねば肉体はこの世に置く。しかし魂は永遠。だからこの世で魂を磨いて、やがて旅立っていくことが人生の目的なのだと・・・

また、「因果応報の法則」とか、魂を磨くためにと、釈迦の教え「六波羅蜜」などを紹介なさり、ちょっとした仏教入門のような内容でした。

でも時折「神様が与えてくださった試練を感謝しています」ということをいわれたり、宇宙を良い方向に導いている「力」とか「この宇宙は愛に包まれている」とか、仏教というよりも、創造主の存在を思わせるような発言もありました。

稲盛氏も心の奥では、創造主なる神を求めておられるのかもしれないなと、感じた次第です。

でも、稲盛さんが語られた、この人生は、魂を磨くためにある、という考えは、本当に生きる目的になるのでしょうか?

私たちが何かを磨くというとき、必ずその磨いたものを見てもらう存在がいますよね。

職人が「業を磨く」のは、その業を評価する人がいるから磨くわけです。

「美を極める」のも美を評価する人がいるからです。

さて「魂を磨く」というとき、その魂は、いったい誰に対して、磨くのでしょう。

そういう人格的な存在がないのに、ただ自分の魂を磨いていても、自己満足ではないのかな。

それが人生の目的になるのかな、っと思ったのです。

 

 

無神論者のバートランド・ラッセルさえ、こういうことを言いました。

「神がおられると仮定しない限り、人生の目的を問うことには何の意味も無い」

 

では、人格的な神を信じる人にとって、人生の目的はどのようなものになるでしょう。

創造主なる神がおられるなら、神に造られた人間は、神に対して責任ある存在となります。

責任とは英語でレスポンスビリティ。「応答できる」存在ということです。

造ってくださった創造主の愛に、「応えて」生きられる存在が、人間。

ところが人は、神さまを無視して、無責任、無応答に生きているでしょう。

神を無視して、一生懸命自分の魂を磨いているわけです。

聖書はそういう的外れな生き方を、「罪」というわけですね。

人間の社会でも、無責任なことをすると、警察につかまったり、裁判にかけられるでしょう。

ましてや神様にたいして、それはまずいわけですね。

ところが、イエスキリストが、わたしたちの罪の裁きを、代わりに受け、十字架に死んだイエスを、神が復活させ

信じる人々のなかで、聖霊として共に生きて、助けてくださるようになったのです。

人が神に対して責任ある人間として、生きられるようにと・・・

これが福音なんですね。

なので、キリストを信じる人の人生の目的は、以下のように、シンプルなものになるわけです。

「だから、あなたがたは食べるにしろ飲むにしろ、何をするにしても、すべて神の栄光を現すためにしなさい。」
(新約聖書 1コリント10章31節)

「何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。」
(新約聖書 マタイによる福音書6章33節)

 

要するに、「自己実現」ではなくて、「神実現」なんです。

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執筆者紹介

しゅういち

牧師を20年以上しています。哲学、神学、心理学、カウンセリングなどの学びと、沢山の人との出会いを通して学んだことのエッセンスをお伝えします。