最近のSPAの記事にあったのですが、
都市部在住の、従業員数50人以上の会社に勤務する、50代のサラリーマンに、
「あなたは負け組だと思いますか?」というアンケートをとったそうです。
そのアンケートに「負け組だと思う」と回答した3000人を抽出し、
結果を算出してみると、
●既婚率 79.3%
●子供の数 1.65人
●貯蓄額 325万円
●通勤時間 45.2分
●最終学歴 偏差値60未満の大卒
●平均年収 618万2000円●負け組転落年齢 38.9歳
(20代以下…17.9% 30~34歳…17.0% 35~39歳…16.4% 40~44歳…20.9% 45~49歳…13.1% 50代…14.7%)●負け組三大マインド
1位 低収入 43.9%
2位 低肩書 18.4%
3位 低貯蓄 14.7%
4位 独身&孤独 12.5%
5位 病気 4.9%
6位 非モテ 1.6%
という結果でした。
平均年収は618万2000円、51.7%が一戸建て、8割近くが既婚という、
「これで負け組か」という、平均像が浮かび上がったそうです。
記事の中ではこの結果を受けて、このように分析していました。
40代までは、収入や肩書の相対的な低さは気にならないが、
50代になり、これ以上上がらないことに気づいた時点で、
他人と比べて、低収入、低肩書、低貯蓄が気になり、負け組感を感じていくのではないか
ということでした。
年下上司も現れはじめ、会社に居場所がなくなっていくのも、この年齢と言えるでしょう。
それにしても、この結果からあらためて、
人間というものは、他人との比較の中でしか、自分の価値を計れない生き物なのだ、と思わされます。
幸せとは、状況のことではなく、今の状況の中で感じる感情のことですから、
他人と比べて、「自分は負け組」だと感じる人は、自分で自分のことを「不幸せ」にしていることになります。
コップの中に半分の水が入っている時、
ある人は、まだ半分あると思い、ある人はもう半分しかないと思う。
50歳という年齢を、「もう50歳」と思うか「まだ50歳」と思うかも、その人の選択です。
おそらく、精一杯頑張ってきた人ほど、自分がこれ以上頑張ってもどうにもならない
「現実の壁」に直面したときに、
「負け組だ」「もうだめだ」という否定的な思考に陥っていくのかもしれません。
しかし実は自分を押しつぶしてくる「壁」は、目の前の状況でも、環境でもなく、
自分の心のなかで、「自分は負け組だ」と測ってはばからない、狭くかたよった価値観という「壁」なのです。
本当の敵は、あの人でも、この人でもなく、自分自身の心のなかに潜み、自分を「負け組だ」と思い込ませている存在であることに、気がついてほしいのです
人生が「勝ち」と「負け」の、どちらかのわけがないではないですか。
そもそも、そういう二者択一の価値観に心が縛られていることが問題なのです。
ですから今、「自分は勝ち組だ」と思っている人も、もっと上の人と比べては、「自分はまだまだ負け組だ」と思っているものなのです。
年収が1000万円の人は、年収が1億円の人と比べて「負け組だ」
年収が1億円の人は、10億円の人と比べて「まだまだ負け組だ」と考える。愚かなことです。
マザーテレサは、さだまった収入などほとんどなかったでしょう。
しかし、非常の大きな影響力を、彼女がなくなった今にいたるまで、この世界に与えつづけています。
しかし、年収が100億円の人も、死ねばやがて忘れられていくのです。
大切なことは、神さまから与えられた、一度しかない人生を、
人と比べて、人と同じようになろうと生きるのではなく、
自分に与えられているはずの、使命に生きていくことなのです。
そのように生きる人こそ、人生の勝利者です。