夫婦関係を考える時、「愛」についてはよく語られると思いますが、「尊敬」については、ほとんど考えられてこなかったのではないかと思います。
お互いに「愛し合って」いるのに、なぜか小さなことで喧嘩をしてしまったり、すれ違ってしまうことがあるでしょう。
そもそも、嫌いなのに一緒になったはずではないのです。愛し合っていたはずなのに、その愛情表現がすれ違ってしまって、傷つけあってしまうということがあるわけです。
問題は「愛がない」ことにあるのではなく、「尊敬」の表現がないところにあるのではないでしょうか?
「尊敬」とは、「尊敬」に値する人に対してだけ、するものだ、という思いがあるかもしれません。
「尊敬」してほしいなら、尊敬できるようなことをしなさい、と思うでしょう。多くの人々にとって、「尊敬」とは「無条件」ではなく、「勝ち取るもの」になっているのです。
多くのばあい、お互いに相手のことを「尊敬に値する」とは思っていません。
関係のギクシャクした夫婦においては、お互いの間に「尊敬」の念が失われていることがほとんどです。
お互いに、言い分はあるでしょう。
「優しくない夫を、どうして尊敬できるの」
「妻を尊敬なんてできない。こんなに傷つけられているのに」
「わたしの望むように変わってくれたなら、尊敬してもいい」
尊敬する「条件」をクリアし続けるのは、難しいことです。
しかし、相手がどうであれ、「無条件に尊敬」すると決めて、表現してみたらどうでしょうか。これは感情はともかく、自分の決断と意思で、可能なことです。
そして、実はこの「無条件の尊敬」に絶大なる関係回復力が秘められていると思うのです。
「尊敬」の思いを伝えられて、嬉しくない人はいません。お互いに相手を尊敬していることを伝えあう時、夫婦関係は確実に良い方向へと変わり始めるでしょう。
もし、相手との関係を今よりも良くしたいという思いがある状態なら、これは試してみる価値があります。
自分の価値観や考えをいったん脇において、相手に対する尊敬を表現して伝えてみる。
チャレンジしてみませんか