テーマは「人はなんのために生きるのか」という興味深いものでした。
会場は満席。経営者が多かったようです。
稲盛氏の結論は、「人生の目的は魂を磨くこと」ということでした。
死ねば肉体はこの世に置く。しかし魂は永遠。だからこの世で魂を磨いて、やがて旅立っていくことが人生の目的なのだと・・・
また、「因果応報の法則」とか、魂を磨くためにと、釈迦の教え「六波羅蜜」などを紹介なさり、ちょっとした仏教入門のような内容でした。
さてもし神が存在しないのなら、「人生は魂を磨くためにある」といってみても、その磨いた魂を、だれに見てもらうのだろうかと、私は素朴な疑問を抱きました。
職人が「業を磨く」のは、その業を評価する人がいるからです。
「魂を磨く」のは、誰に対して磨くのでしょう?
もし神がいないのなら、むなしい自己満足ではないでしょうか?
無神論者のバートランド・ラッセルさえも「神がおられると仮定しない限り、人生の目的を問うことには何の意味も無い」と語りました。
「人生の目的」とか「何のために生きるのか」ということを、自分を中心にして考え始めても答えは出ないのです。
自分で自分を存在させたのではないのですから。
「わたしが存在しているのは、神がそう願われたからであり、神によって、神のために造られた」。
この創造主を信じる信仰に立って「わたしはなんのために生きるのか」と、神に問いたいのです。