市役所に勤める平凡な主人公が、胃ガンであと半年しか生きられないと知り荒れるが、だれかのためになる仕事を精一杯やることこそ自分を救う道だと悟り、生まれ変わったように弱者のために働き始める物語です。
生きることの意味を追求する、ストレートな作品です。
黒沢監督は、この作品の背景として自分自身の思いをこう書いています。
「僕は時々、ふっと自分が死ぬ場合のことを考える。するとこれではとても死にきれないと思って、居ても立ってもいられなくなる。もっと生きているうちにしなければならないことがたくさんある。僕はまだ少ししか生きていない」
「まだ少ししか生きていない」と言う黒沢監督。
若い時は、先の人生はまだまだ長いと思っていても、やがていのちの終わりを予感するようになると、「まだ少ししか生きていない」と感じてしまうのが、人生なのかもしれません。
その貴重な時間である今日を、あなたはいまちゃんと「生きて」いますか?
「今日も生きている」という実感と喜びを、今、感じていますか?