第二次世界大戦が終結してから29年の時を経て、フィリピン・ルバング島から日本へ帰還を果たした小野田さんが、
晩年自身が主催していた自然塾で「人は一人では生きていけない」ということを言っておられたそうです。
一人で生き抜いてきた小野田さんの言葉ゆえに、非常な説得力があります。
強靭な精神力とサバイバルスキルで、生き抜いてきた小野田さん。
体を維持するための食べ物は一人でも確保できる。
しかし人には、心の食べ物として、自分とはちがう他の人格との交流が必要なのでしょう。
でも、そばに人がいれば、心の交流が実現するかといえば、そんなに簡単にはいかないのです。
むしろ周りに人が溢れているにもかかわらず、心の交流がないなら、人は深く孤独を感じるでしょう。
SNSなどで、表面的な友達関係をいくら広げても、孤独は癒やされないし、
むしろ、そんな意味のない表面的な人間関係を維持するために、多大な時間、付き合い、労力を浪費することになるわけです。
しかし反対に、心を開くことのできる友人が、一人でもいれば、孤独はいやされ、心も満たされ、活き活きと生きることができるもの。
そのような、自分の弱ささえも、心を開いて分かち合える人をこそ、友達というわけです。
SNSの友達とか、会社が学校で友達と思っている人の、殆どは、実は単なる「知り合い」
「知り合い」がいくらいても、友達が一人もいない人は、やっぱり孤独。
友達は、そんなにたくさんいいりません。そもそも、たくさんの人に自分の心を開き続けることは、しんどいし不可能でしょう。
そういう意味で、友達は少なくてもいいんですよ。