「ぼんやりしているのは人間にとって非常に大切な時間である。単に漠然と言っているわけではなく、この間に、本人はどの程度意識しているか分からないが、必ず貯えられているものがある」
(串田孫一 詩人・哲学者)
最近「ぼんやり」したのはいつでしたか?
なにか有意義なことをしていないと、人生を無駄にしてしまっているのではないかと、あせったり、いらいらしたり、不安になったりしてはいませんか。
ぼんやりする時間の大切さ:心と創造性を解放する魔法の瞬間
現代社会では、常に何かに取り組んでいることが美徳とされがちです。しかし、実は「何もしない時間」、つまりぼんやりする時間が私たちの心と体にとって非常に重要なのです。今回は、ぼんやりする時間の大切さについて考えてみましょう。
ぼんやりする時間とは?
ぼんやりする時間とは、特に目的もなく、何も生産的なことをしていない時間のことです。例えば:
– 窓の外を眺める
– ソファでくつろぐ
– 公園のベンチに座る
– お風呂でリラックスする
これらの時間は、一見無駄に思えるかもしれません。しかし、実はこの「無駄な時間」こそが、私たちの心と体を豊かにしてくれるのです。
ぼんやりする時間の効果
1. 創造性の向上
ぼんやりしている時、私たちの脳は「デフォルトモードネットワーク」と呼ばれる状態になります。この状態では、異なる考えや記憶が自由に結びつき、新しいアイデアが生まれやすくなります。
2. ストレス解消
常に何かをしていると、知らず知らずのうちにストレスが蓄積します。ぼんやりする時間は、そのストレスを解放し、心を落ち着かせる効果があります。
3. 自己理解の深化
忙しい日常から離れ、自分の内面と向き合う時間を持つことで、自己理解が深まります。自分の本当の想いや価値観に気づくきっかけになるかもしれません。
4. 問題解決能力の向上
難しい問題に直面したとき、一度その問題から離れてぼんやりすることで、新しい視点や解決策が浮かぶことがあります。
5. 記憶の整理
ぼんやりしている間、脳は自動的に情報を整理し、重要な記憶を強化します。これは学習や成長にとって非常に重要なプロセスです。
ぼんやりする時間を作るコツ
1. **スケジュールに組み込む**: 「ぼんやりタイム」として時間を確保しましょう。
2. **テクノロジーから離れる**: スマートフォンやパソコンから離れ、デジタルデトックスの時間を作りましょう。
3. **自然と触れ合う**: 公園や庭で過ごす時間を作りましょう。
4. **「何もしない」ことに罪悪感を持たない**: ぼんやりすることも自己投資の一つだと考えましょう。
5. **瞑想や深呼吸を取り入れる**: 意識的に心を落ち着かせる時間を作りましょう。
イエスキリストは聖書の中で
「空の鳥をみてみなさい。働いてなどいないのに、神さまはちゃんと養っている。野の花も、誰も見ていないのに、あんなに美しく咲いている。あなたはそのままで素晴らしい人なのだよ」ということをいわれました。
ホッとしますよね。
ただ「ぼんやり」となにもしない時も、きっと神さまが何かを蓄えてくださる大切な時間。
空を見上げ、風に流れる雲を見つめたり、カフェでコーヒーを味わう。「ぼんやり」できる喜びを、しみじみ感じたいものですね。