わたしは若いころ、親の態度や言葉に傷つくこともあり、自分や他人を心の中で責めることの多い時期がありました。最近、それに関連した、このような言葉と出会いました。
「心を傷つけられた子は、多くの場合、罪意識を持つようになります。成長するにつれ、抱え込んでいる罪の意識から解放されようと、自分よりもさらに弱い者、幼い者の失敗を責め、彼らが罪の意識を持つように追い込むことで、世代から世代へと罪の意識が引き継がれていきます」
(ジャン・ヴァニエ)
親の態度や言葉の背後には、彼ら自身も子どものときに親から受けた傷があった。
そのことに気付き、理解し、ゆるすとき、人は過去の束縛から解き放たれ始めるのでしょう。
自分も親も、愛において不完全な人間。
決して変わることのない完全な愛を、人は持ち合わせていない。
それでも人は、この自分をそのありのままで認め、受け入れ、愛してくれる存在を求めているのです。
「あなたがたの天の父は、あなたがたの必要を知っていてくださる」と語る聖書が、
数千年もの間、全世界で読まれ続けている理由は、
きっとここにあるのでしょう。