より良く生きる知恵

いきなり、1時間後に結婚式の司式をすることになった時の話

投稿日:2018年5月26日 更新日:

StockSnap / Pixabay

もう、5年ほど前のことです。

電話がかかってきて、急に結婚式の司式を頼まれたことがあったのです。

それもいまから1時間後に式が始まるという結婚式。

頼まれていた牧師さんとホテル側の日程調整にミスがあって、その日牧師さんは遠くに出掛けてしまっていたんです。

時間になっても、式場に牧師さんがあらわれないので、ホテル側が連絡をして、日程のミスに気がついた。

それで急きょ、わたしのところに電話がきたのでした。

電話を受けながら、「そりゃいくらなんでも無理だ」と思ったけれども、「他に頼める人がいない」と言われたら、断れない。

電話を切った後、大急ぎで着替えながら、頭の中でイメージトレーニングをして、ホテルに駆け込んだのが、式の40分くらいまえ。

会場に駆け込み、式の係の人から大まかな流れを聞いて、頭に叩き込む。

でも、「本番でわすれたら小声で教えてくださいね」と、一言お願い。

「もし、わたしがこなかったら、どうなっていたんですか」と係の方にきいてみたら「考えたくもないです」と言われた。そりゃ、そうだろう。

30分前に、新郎新婦と顔合わせ。

「大丈夫。緊張しなくていいですよ。神さまの祝福を祈りますからね」と緊張気味の2人に語りかけたけど、
その言葉をその時一番必要としているのは、本当は、わたしだったと思う。

短いリハーサルやこまかい調整を終えたときには、式まであと10分くらいだった。
その間、たびたび心の中で祈る。

この状況を生み出したのは、わたしじゃないんだから。

この状況に投げ込んだのは神さまなんだから、神さまが責任をとってくださるでしょう。

もう、あとは神さまに委ねます。そう祈ったら平安になった。

式の5分前、そばにいた新郎に話しかける。気さくな好青年。

新婦と出会ったきっかけなどをきき、結婚式の中のメッセージの中におりこんだ。

二人とは、実に短い出会いだったけれども、本当に幸せな家庭を築いてほしい気持ちで、

つい「お互いのために神さまに祈ることを忘れないでください」とメッセージの中で語っていた。

彼らはクリスチャンではないけれど、この際、お互いのために祈ることに目覚めてほしいな。

兎にも角にも、式は無事に終わった。

1時間前には、「失敗したらどうしよう」とか、自分のことに心が向いてしまって、不安な気持ちが、

そのうち、この2人の新しい歩みに神さまの祝福を願う気持ちに変わって、

不安はどこかにいき、結婚式の間、静かな感動が心をおおった。

この出会いと出来事も、主からのプレゼント。

感謝します。

-より良く生きる知恵

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

生きる喜びはどこにある

silviarita / Pixabay 生きる喜びはどこにあるのでしょう? まちがいなく、人間だけが「生きる喜び」とか「生きる幸い」ということを、考え、求める生き物です。 動物は「生きる喜び」という …

過去の憎しみから自由になったプロボクサー

OpenClipart-Vectors / Pixabay 東京新聞に、こんな記事が載っていました。 プロボクシングの勅使河原(てしがわら)弘晶さんは、中学時代から窃盗や傷害事件を繰り返していたのだそ …

夫婦関係を改善する一つの考え方

photo-graphe / Pixabay 夫婦関係を考える時、「愛」についてはよく語られると思いますが、「尊敬」については、ほとんど考えられてこなかったのではないかと思います。 お互いに「愛し合っ …

スピリチャルは、やばいです

LoganArt / Pixabay 今や、すっかり定着した「スピリチュアル」という言葉。 それを使って人を集める人々は、伝統的な宗教とは違うイメージを作ろうとして、「波動」とか「宇宙意識」のような言 …

わたしはわたしだ

Ichigo121212 / Pixabay 2018年9月。全米オープンテニスで「日本人として」初めて優勝した大坂なおみ選手。 彼女は日本人の母とハイチ系アメリカ人の父のもと、大阪で生まれ、4歳の時 …

執筆者紹介

しゅういち

牧師をしています。聖書や沢山の人との出会いを通して教えられ、気づいたことを、分かちあっています。

超わかりやすいキリスト教入門のテキストお分けします 日本人だけ知らない、世界の常識キリスト教。そのエッセンスを

【免責事項】

最善の注意をはらって情報を記載していますが、当サイトの情報は、あくまで利用者の方自身の責任でご利用頂きますよう、ご了承ください。