やさしいキリスト教入門 より良く生きる知恵

教会というコミュニティーのアップデート

投稿日:2019年9月12日 更新日:

Pexels / Pixabay

「日曜日の礼拝に集う子どもたちや、わかい世代が少なくなったね」といわれて久しくなりました。

この言い方が表しているように、昔から若い人々がいなかったわけではないのです。だんだん少なくなっていった、ということです。

ある意味、これは当然の社会現象です。

「昭和」まで存在していた、専業主婦、地域、親族の支え合いネットワークは、「平成」以後急速になくなっていき、

今や、子育ての現役世代は、共働きか、一人で仕事と子育てをしている家庭が大半です。

その疲れと子育てのストレスを和らげる、ご近所、親族の助けのない、いっぱいいっぱいの子育て世代が

日曜日の午前中の礼拝に、子どもと一緒に教会にやってくること自体、

物理的、肉体的、精神的に、非常に困難になったのです。

コミュニティーの助けを必要とする世代が、コミュニティーに入れない時代です。

さて、教会も社会的には、コミュニティーの一つです。

日曜日の礼拝に集い、

神の前に、互いに同じ人間として、立場や世代の違う人々が、出会い、

お互いに、限界をかかえたもの同士、互いのために祈り、支え合おうとする、コミュニティーの現場といえます。

ただ、日曜日の1時間の礼拝における、時間と空間を共有することの大切さと同時に、

そのこと自体が、物理的に、肉体的、精神的に困難になった、

この時代における教会のコミュニティーのありかたについて、考えないといけないと、以前から思っていて、

その道筋としては、時間と空間の限界性を超えさせる「祈り」による繋がりをベースにしつつ、

同じく、時間と空間の限界を超えて、音と映像を届ける道具として、オンラインによる、コミュニティーの具体的可能性、その難しさなどについて、

実践し、試行錯誤しつつ、考えつづけたいのです。

-やさしいキリスト教入門, より良く生きる知恵

執筆者:


  1. しゅうちゃん より:

    この視点を、コロナ危機前にもっていたことに、あらためて驚いています。

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